2019年08月16日

2019/8/1-15らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。
映画の解説をした方が楽で楽しいのですが、似顔絵を描いてる(けど上手く描けなくて
悩んでる)人に向けて、似顔絵の描き方などの解説となっております。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

8/1『続 図々しい奴』広村芳子(秘書の尚子)
8/2『勝利なき戦い』ジョージ・シバタ(副官のオオハシ中尉)
8/3『盲獣』船越英二(天才彫刻家の道夫)
8/4『博徒』鈴木金哉(舟人足B)
8/6『悪名一代』勝山まゆみ(ナマイキJKの環)
8/7『火宅の人』宮城幸生(浅草署の刑事)
8/8『たつまき奉行』加賀邦男(片岡千恵蔵をボコる 郡源太夫)
8/9『駿河遊侠伝 賭場荒し』細谷新吾(バカ息子の間之助)
8/10『すいばれ一家 男になりたい』ルーキー新一(ストリップ小屋の座長)
8/11『ジャズ娘誕生』青山恭二(よく分からん存在だった義彦)
8/12『恐怖女子高校 女暴力教室』三浦夏子(優等生の岬洋子)
8/13『新諸国物語 七つの誓い 黒水仙の巻』千舟しづか(盗賊頭の腰元 アン)
8/14『新諸国物語 七つの誓い 奴隷船の巻』羅生門綱五郎(戦闘士のゴーレム)
8/15『歌ごよみお夏清十郎』沢井三郎(悲劇の悪役 唖の寅松)

今回は
勝山まゆみ.jpg
『悪名一代』の勝山まゆみさんの絵を解説。


毎度毎度ググっても画像がヒットしない役者さんばかりですが、
この勝山さんも全く画像は見つかりません、、、似てるかどうかは
映画をみていただくしか無いので、今回も話の主題は別のことです。

似てる似てない上手い下手以外で、この人物の絵を見ての感想はどうでしょうか。
「丸い顔」「目がでかい」なパーツの話では無く表情から読み取れることとして、
「見開いた目で笑ってる」でしょうか。
実際にそんな人がいたらこう思うでは無いでしょうか「気味が悪い」って。
そう思っていただければ描いた身としては成功したかな、です。
この映画の勝山さんのやった役は生意気な女子高生なのですが、
生意気を通り越して、何考えてるのか解らない薄気味悪さすらある役なのでした。
当然この絵の眼目は「薄気味悪い娘」です。
さてではどのようにして薄気味悪さを出しつつ似せるかとなります。
今回の場合は勝山さんの大きな目を利用しました。具体的には
強く大きな白目の中に四白眼になるよう黒目を、二つの焦点をずらして、描く
ことで表わしています。

ここでもう一枚を上げてみます。よいしょ。
IMG_20190808_162722.jpg
これは先の絵の模写ですがどう思いますでしょうか?
私には「健康的な丸顔娘が笑ってる」ようにしか見えません。
薄気味悪さなんて感じられませんね。なぜでしょうか。
見た瞬間にお分かりのことと思いますが、
2枚目の絵は下まぶた線を引いてません。
この絵の目から分かる情報と、感じる印象は
「目全体の大きさはあるが瞳は小さめ」な情報はともかく、
「可愛らしいクリッとした目」の印象を受けますねこの絵からは。
つまり全然こちらの意図と違う印象の目になっちゃってます。
元の絵と瞳の位置もほぼ同じにしたつもりですが、四白眼にも全く見えない。
それも当たり前で、下の線が入ってないから瞳の周辺360°
=四隅が白目に見えないからです。
と言いますか、四白眼のようなキツイ目にならないような効果があるのが
下瞼線を描かない目の描き方なのですが。

結果、この描き方で描いてみるとこちらの意図が全く現れていません。
あくまで「下瞼線は描かずにでも薄気味悪さも出す」となると
また別のアプローチが必要となります。しかしどう描いたところで
元の絵のインパクトは出せないでしょう。
何より下瞼線を引けば、別の方法を新しく探すなんて苦労をしなくても
済むわけです。

上瞼線と瞳で目を描く。漫画やアニメでおなじみの描き方ですが、
この描き方『だけ』だと全ての人間を似せることは不可能だと断言します。
何だかうまく似せられないなあ、と悩んだ時には
是非下瞼線を引くのを試してみましょう。




プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
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2019年08月01日

2019/7/18-31らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。
映画の解説をした方が楽で楽しいのですが、似顔絵を描いてる(けど上手く描けなくて
悩んでる)人に向けて、似顔絵の描き方などの解説となっております。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

7/18『復讐無頼・狼たちの荒野』ホセ・トーレス(シラミことペドロ)
7/19『西部の無頼人』クリスティーナ・ハシナリ(主役の妹メルセデス)
7/20『日本暴力団 京阪神殺しの軍団』小泉洋子(主役の妻ケイコ)
7/21『泥棒を捕まえる人』フォード・スターリング(事件の目撃者)
7/22『大侵略』ナイジェル・グリーン(マスターズ大佐)
7/23『母孔雀』中野かほる(意地悪叔母の満喜)
7/24『必殺始末人』芝本正(一家全滅する井筒屋)
7/25『独眼竜政宗』浪花千栄子(乳母の喜多子)
7/26『忍びの者 伊賀屋敷』鈴木瑞穂(由井正雪)
7/27『さくら判官』熊谷武(直訴する百姓の総代)
7/28『さらば荒野』サイモン・オークランド(ジーンハックマン友人のガン)
7/29『曽我兄弟 富士の夜襲』橋本平八(海野幸太郎幸氏)
7/30『セーラー服 百合族』山本奈津子(ヒロインの美和子)
7/31『一寸法師』野上千鶴子(お雪)


「敢えて」な描き方をした鈴木瑞穂さんは個人的に気に入ってるんですが、
今回はこちら
スクリーンショット 2019-07-29 14.39.03.jpg
東映片岡千恵蔵遠山の金さんシリーズの一本『さくら判官』のオープニングで
直訴をぶって出てきたがお供の侍に即効で蹴倒されものすご簡単に失敗する百姓たち。
そのうちの一人「肥前島原藩56ヶ所百姓の総代」役の熊谷武さんを解説します。

まずこの人が熊谷武さんかは確証がありません。
映画に名前出てたキャスティングから自分で絞り混んだもので、
恐らく熊谷武なる人でしょうってだけ。
映画資料をググってこんな橋役のキャスティングまでは分からないし、
熊谷武でググっても人物画像はヒットしません。
(よって絵には「熊谷武?」と書いておいた)
よってこの人物絵が『映画さくら判官に出てた肥前島原藩56ヶ所百姓の総代』
に似てるかどうかはもう映画を観るしかないのですが、
まあ見ても冒頭の一瞬しか映らないので観ても分からないかもしれません。
似てるかどうかは置いとくしかないので、じゃあ何を解説するかと言うと
「老人の似顔絵」についてです。老人を描く、ですね。

似顔絵モデルを世代別に分ける。私の考えでは分け方は
乳児(0〜1-2才)・幼児(2〜5-6才)・子供(7〜20才)・青年(20〜4−50代)
・中年(50〜70代)・老人(70-80代〜)
となると思います。年齢は大体ですね。個人差もあるので。
一括りするのは乱暴な話ですが、どの年代が描くのに簡単か難しいか話。
ざっくり言うと「若ければ若い方が難しい」です。
よく対人似顔絵商売してますと「子供は描きやすいですよね」とか言われますが、
即「子供の方が難しいです」って返しときます。

人の容貌は生まれついてのものと経過変貌していく要素があります。
経過変貌には経年・性質性格・環境などで顔が変化していきます。
この年月や性格による変化は時間を多く経た人物の方が当然大きくなります。
そしてその変化の仕方は一人一人で違います。全く同じ人生を歩む人は二人と居ないからです。
元来似ている顔面構成をしていた人物たちも経過変貌することで、
全く違う容貌になったりもします。

生まれた元々の容貌だけでなく、その人の人生が刻み込まれた、その人の顔の完成形が
中年期・老年期に出来上がっていると思います。
性格性質による変貌の完成が中年期で、経年変化を得てさらにその人オリジナルに
磨きがかかったのが老年期ですね。(老衰については後述)
似顔絵は見たままを描くのではなく印象を描くこと、と先に書いて(いたと思いますが
書いてなかったっけ?)ますが、じゃあ印象を得なければ描けないわけです。
「モデルの人を見ても何も感じられない」とゆー困った悩みの若き似顔絵描きさんもいらっしゃいますが、
その人オリジナル要素に満ち溢れてる老年期は印象の宝庫です。
印象だけでなく顔面パーツなども経年性質性格によって大きく変化してますので、
素人言葉で言えば「特徴がある顔」(とやら)になってることがほとんどです。

しかし「似顔絵を描くのに一番簡単なのは老人」との結論を出すのも早計です。
どうしても加齢や老衰で本来ではない表情になってしまったり、
表情が出しづらくなった方もいらっしゃいます。
それは老いではなく障害です。
老人を描くわけですから年相応な老いを描くことは必要なことですが、
その人が本来望んでなったわけでもない障害は、パーソナルな特徴とは言えません。
モデルがご高齢の方を描くときには「老い」か「障害」かを見極めておかなければなりません。

「悪意ある絵を敢えて描くんだからその障害も描く」って方もいるかもしれませんが、
先に書きましたがその障害はその人本来の特徴ではないので、
その絵は描かれた人に近づいてはいないわけですから、
仮にそう描いたとしてもそれで似ることはないです。
何度も書きましたが『見たままを描くわけではない』からですね似顔絵は。

似顔絵を描いていると、ご長寿記念の似顔絵を描く機会も多いと思います。
米寿や白寿、100歳の記念の似顔絵をお爺ちゃんお婆ちゃんや
曽祖父曽祖母様にプレゼントに、と言うリクエストですね。
「老いは描いてもいいが障害は描かない」ように気をつけたいですね。
ってこれ読む人が似顔絵描く前提になってますけど。



プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
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2019年07月17日

2019/7/4-17らくがきにがおえ解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。
映画の解説をした方が楽で楽しいのですが、似顔絵を描いてる(けど上手く描けなくて
悩んでる)人に向けて、似顔絵の描き方などの解説となっております。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

7/4『多羅尾伴内』三崎奈美(穂高ルミ)
7/5『多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』谷本小夜子(くめ)
7/6『大暴れ風来坊』雪丘恵介(製油所所長)
7/7『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』早乙女りえ(おゆき)
7/8『風に逆らう流れ者』島津雅彦(信夫)
7/9『地獄のヒーロー』ジェームズ・ホン(トラウ将軍)
7/10『忘八武士道 さ無頼』城恵美(志乃)
7/11『忍びの者 続霧隠才蔵』藤由紀子(あけみ)
7/12『悪名桜』杉田康(大隅)
7/13『無法松の一生』小林加奈枝(茶店のおばさん)
7/14『江戸川乱歩猟奇館屋根裏の散歩者』織田俊彦(人間椅子蛭田)
7/15『帰って来た女必殺拳』張美和(麗花)
7/16『ソルジャー・ボーイ』アラン・ビント(キッド)
7/17『制覇』高岡健二(長男の孝)


この中から今回は
『多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』に出演してた時の谷本小夜子さん
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『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』に出演してた時の早乙女りえさん
D-4aLrDU8AEdC6Y.jpg-large.jpeg
を描いた二枚を紹介します。
「そんな役者も映画も聞いたことねー」なのはごもっともですが。

この二枚のチョイス理由は、それぞれ似てることと、記号化された線になってるし
(それなりに)面白い似顔絵になっていること。
そして何よりこの二枚は、共通項が日本人女性をモデルにした雑な線の絵ってだけくらいの
もので後は全く違うものになってることです。
違う人間を描いてるので当たり前なのですが、この当たり前ができない人が多いです。
今回は、似顔絵のモデルの描き分けのできない原因について、疲れない程度に書きます。
原因は今日書くこれだけではないですが、ここの文章を書くのってすごく疲れるのですハイ。


お二人を描いた絵の輪郭の形から顔内パーツから、
この二枚に同じ記号化したものは一つとして描いていません。
まず大前提として、パーツの描き分けが出来ていないと同じ顔ばかり描くことになっちゃいますよね。
この解決は簡単。描くパーツのバリエーションを増やすことでクリアです。
パーツの記号化が頭の中でイメージ出来て線で表わせるようになるには、
(今回はごく簡単に)一言で「数をこなすこと」です。

「この形の(目鼻口など)パーツはこの形に記号化出来(て実際描け)る」のであれば、
後はそのパーツをどこに配置するのか、だけです。
「だけ」と書きましたが、実はこちらの方が重要です。
人物を描き分けられない原因の一つに
「パーツの形だけに捉われてそのパーツの配置を考えていない」があります。
先日書きました『感応力』でもって、例えばモデルを「かわいいなー」と感じたとしましょう。
可愛く感じるには理由があって、その理由を考えるわけです。
この場合「それは目が大きいから」ってことにしましょう。
で、ここで頑張って描こうとするのですね大きい目を。
記号化した線で描かなくちゃってちゃんとそこまで思ってる人もいることと思います。
ですが、その大きい目を一体どこに描こうとしてるのでしょうか。
(顔内パーツを敢えて輪郭外へ飛び出して描くこともありますが)
輪郭内のどの場所に描くのか先に強く意識しておかないと、大体が
「顔を高さで3分割したところの上から一分割目と二分割目の境界あたりの高さ、
横は顔を横に3分割する線上=鼻筋を起点として左右等距離」
に目を描いちゃってることと思います。
無意識だからそこにうかと描いているのでしょう。
目の形は意識しているくせに配置には無意識になっちゃってる。
目の形だけズームアップして見て、まず全体をロングショットで見てないことからで、
これも先日(確か?)書きました「木を見て森を観ず」からくることですね。
形と配置。どっちかと言うと配置の方が重要です。
『パーツの形に拘ってるが、配置が無茶苦茶なものは似ても似つかないが、
パーツの形は無難なもんにしても配置さえ合ってれば似る』
からです。

先の二点の絵の解説。今回は目の配置。谷本さんは輪郭のかなり上部に中央寄りで、
鼻と両目を逆三角形で結ぶとすごく小さい正三角形。
目と目の近さもさることながら正三角形になってるのは鼻も近いから。
正確には鼻と目が近いのではなく、鼻と口の距離を空けたかったので小正三角なった。
早乙女さんは高さは真ん中(よりやや上)で左右はかなり離れてて逆三角形は
底辺の長い面積の大きい二等辺三角形。正三角形ではないのは目と目の距離からなのだが、
目が離れているというより、起伏のないのっぺらな顔を出すための描き方だから。
よって顔の中心が間延びした広い面積=三角形がでかくなってる。
こういう計算をして描いてあります。

「でも実際の目の位置はそこじゃないですよね?」と思っちゃった方は
まだ似顔絵を描く心づもりになってません。
これも先日書きましたが、感じたものを描くのであって見たままを描くのではありません。
「肖像画を描くのではなく似顔絵を描くんだ」
と思ってください。

「パーツの形だけに捉われて配置を疎かにしないように、
とゆーかそっちの方が大事だから。その配置も感じたインプレッションが重要だからね」
話を実際の絵二枚比較して書いてみました。誤字脱字多そうですけど。



プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
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2019年07月03日

2019/6/27-7/3らくがきにがおえ解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近約一週間にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

6/27『お伊勢まいり』小野田勇(おじさん)
6/28『忍術左源太』上村孝明(少年時代左源太)
6/29『サン⭐︎ロレンツォの夜』オメロ・アントヌッティ(ガルヴァー)
6/30『江戸城大乱』藤奈津子(千代姫)
7/1『父パードレ・パドローネ』サヴェリオ・マルコーニ(21才時のガヴィー)
7/2『赤い影法師』大川恵子(由利)
7/3『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』ジャンニ・デ・ルイズ(ターナー)

テキトーな出来ばかりでピックアップに悩む今週の中から
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小沢茂弘監督作痛快時代劇『赤い影法師』でのヒロイン
大川恵子さんを描いたこの絵を解説。
と、言ってもこの絵自体は特に語るべきこともない素作で困ったもんですが、
似顔絵を描くことについては無茶苦茶語ることは出来ますので何とかなるでしょうか。

大川さんに似てるかどうかは大川さんをググってくださいってことにして、
似てる似てない話や絵が上手い下手話では無く、この絵を見てどう思うのかの話にしましょう。

この絵をパッと見て人が思うのは「厳しい表情の女」「鼻が目立つ娘」ってところでしょうか。
それもそのはずで、私がそう設計して描いたからです。
「キッと睨んだ鼻のデカイ美人」て感じさせられれば目論見通りですね。
そう言う意図で描いた絵だから見た人がそう感じる。実に当たり前の話ですが、
これがいざ「似顔絵描いてみて」って描かせると、まあ見事に何を表現したいのか
解らない絵を描いてくれる人が多いのです。
『この絵で何が言いたいのか伝えたいのか分からない』
似顔絵を教えててよく言うセリフです。

似顔絵を描けって言われて、似せるってことで頭がいっぱいになっちゃうんでしょう。
似せるために一個一個の顔内パーツ、目とか鼻とか口とか、を一所懸命見て描いてる。
で、それで似てるものになっているのか、とゆーとなってないことがほとんどです。
何ででしょう。それは描く前に頭の中で何を描くのか設計が出来てないからです。
これは絵が上手い下手は関係ありません。


似顔絵を描く。いきなりペンを走らせるよりまず
その人を見て何を感じた のか自問しましょう。
その感じたことから、何を表現したいのか何を言いたい絵を描くのか自ずと決まります。
何の絵を描くのかって設計ですね。設計図なしで家は建てられないし、仮に建てたとしても
そんな家は見ただけで住めたもんじゃないって分かりますよね。
設計ってゆーと大げさですか。イメージ程度のふわふわしたもんで良いです。
1:そのイメージを持ってから、
2:その後に実際の顔などの造作をチェックして、
3:それからペンを動かすこと。
1の過程を経ずに2・3って進んで行くと、一個一個細かなものを見てるばかりで大きな全体像が見えていないので
何を言いたいのか分からない絵になってます。似顔絵で何が言いたいのか分からないってことは似てないってことですね。
『木を見て森を観てない』ってセリフもよく言います。

「何も感じないです」と恐ろしい言葉を聞くこともありますが、
人を大きく観ることから感じることが出来ます。感じるためには大きく観ることとも言えます。
人が人を見れば必ず『感じる』何かがあるはずです。
「かわいい」たったそれだけでもいいです。「ブサイク」「ヨボヨボ」そんなマイナス要素でも構いません。
まず感じなければ、似顔絵を描くことは出来ません。
似顔絵を描くに必要な5つの力の一つ『感応力』です。

それでも「感じない」場合。
絵を描くのは元々、何かを伝えたい訴えたい表現したい何かがあるから描くのであって、
何も感じないのならば、心動かされていないのですから絵を描く必要はないのですから
描かなくていいでしょう。別にイジワルで言っているのでは無くて、描けないものを
無理に描くことはないです。どうしても描かなきゃならないのでしたら、感じなければなりません。
是非『感じ』てください。



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posted by にがおえやさん at 22:55| Comment(0) | らくがきにがおえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月26日

2019/6/15-25らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近約一週間にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

6/15『フランソワの青春』ジャン・フランソワ・モーラン(主役のフランソワ)
6/17『未知への飛行』ラリー・ハグマン(通訳のバック)
6/18『ラスト・ショー』アイリーン・ブレナン(レストラン主人のジェネビーブ)
6/19『かくも長き不在』アリダ・ヴァリ(主役のテレーズ)
6/20『鉄砲安の生涯』浦路洋子(ヒロインの千代)
6/22『鬼の棲む館』高峰秀子(Wヒロインの一人 楓)
6/23『奴らを高く吊るせ!』パット・ヒングル(フェントン判事)
6/24『みずぐるま』野々村潔(弘田家当主の平右衛門)
6/25『続やくざ坊主』大川修(チンピラの半助)

の中での今週の一枚。
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孥マイナー映画『フランソワの青春』の主役少年フランソワを演じた子供
ジャン・フランソワ・モーランを描いたものを解説。
黄金期のジャクリーン・ビセットが出てたってだけの映画で、出演はこの1本のみらしい子供。
ググればヒットしますが、出てくるのは不気味な目玉が描いてある
掌をかざした陰気な少年の画像で、あんま参考にならない。(一応映画内のシーンではあった)
そんな映画のそんな人物の絵を解説して何の意味があるのでしょうか?
しかし他に適当な絵が無い週間だったのでしゃーない。

この絵をチョイスしたのは『印象化』してあるから、ってだけ。
目。上瞼と下瞼のラインに沿うように上下にそれぞれ線が引いてある。
二重線や目のクマの線ってつもりでは無く、目を強調するために引いた線。
その線の効果によって目にキツさが出ているはずなのですが、キツさだけにはなってない。
ぼんやりしたような、何を見ているのかわからない目にも見える。
それは瞳の描き方のせい。
瞳を描く処理としては
1色で塗りつぶす・複数の色で塗る・ハイライトを入れる・虹彩を描く
そして上記の描き方を複合する、あたりでしょう。
そのどれでも無い描き方をしています。
瞳の中を「定間隔で横に引いた平行線」で処理している。
瞼上下の線=強い感情の出てるキツい目の表現
平行線の瞳=意思の感じない焦点のない目の表現
背反した二つの要素を入れて描いたのは、映画中の、精神的に不安定な少年のキャラクターを
出したかったから。茫洋としてながらも何かの意思も秘めている、掴めない奇妙な少年って感じは出せてると思う。
あ、その要素は勿論役を演じたフランソワくんの要素でなく
役上のフランソワくんの要素。役者も役も同じ名前だから紛らわしいが。

ちなみに、平行線の瞳、な生物は存在しません。
なのに何でそんな描き方をするのかと言うと「そう感じた」から。
正確に言うと「そう描くと私の感じたものが伝わる」から。
似顔絵は見たままを描くのではないとは何度も書いてます。
では、何を描くのか。これも何回も書いてますかね、
似顔絵は感じたものを描くのです。
そして
「見たものをそのまま描くのでは無く、自分が感じた印象に従って変形させて描く」ことを私は
印象化と名付けました。
だって多分適当な言葉は存在しないから。いかに似顔絵が学問的に研究されていないのか、ですね。
(私のようにどこかで誰かがこっそりしているのでしょうか?)
「似顔絵は誇張です」ってゆー人いますが、誇張だけじゃ駄目で、
「誇張と省略」がなきゃいけない、とも以前書いてますが、さらに言うと誇張と省略と変形があれば
より良いです。そこまで出来れば合格ですね。何に合格かわかりませんが。

あとこの絵について。目の印象化が眼目なためあとはサラリと描いちゃってます。
鼻と口はシンプル線な記号化で処理。あと描いてある服、なんかボロそうに見えます。
これは映画内でフランソワくんが一張羅で着てたセーターが伸び伸びのボロだったから。
この描き方も分析すると記号化ってゆーより印象化ではある。しかし表現の仕方がモロに
日本のギャグ漫画のボロ服の描き方だから印象化ってゆーより漫画化って言った方が良いでしょう。



プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
posted by にがおえやさん at 23:08| Comment(0) | らくがきにがおえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月20日

2019/6/8-14らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近約一週間にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)


6/8『ファイブ・イージー・ピーセス』ヘレナ・カルアニオテス(パーム)
6/10『続花と龍 洞海湾の決斗』神木真寿雄(清七)
6/11『水戸黄門天下の大騒動』加藤博司(菊太郎)
6/12『着流し奉行(TV)』今福将雄(中井勝之助)
6/13『夢犯』山路和弘(木崎)
6/14『鬼龍院花子の生涯』高杉かほり(花子)


の中での今週の一枚。
『夢犯』の山路和弘さんも惜しいが線が汚かったので、こちら
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TVドラマとは思えぬ出来栄えだった、岡本喜八監督演出の
1981年製作CX時代劇スペシャル『着流し奉行』から、
ストーリー進行に重要な役割を持ったデスクワーク仕事の侍、中井勝之助役の
今福将雄(正雄)さんの絵にしました。

今福さんは、ググれば画像ヒットするのでお顔を見ていただければ
お分かりでしょうが、大変脇役に向いてらっしゃる存在感あるお顔をしています。
更に今作での侍役も喜怒哀楽の大きい全然侍らしからぬ、中間管理職の困った上司と
いったコメディリリーフ的キャラです。
こう聞くと「描き易い顔」と思われがちですが、さにあらず。
世の中で「似顔絵描くの楽でしょう」と決め付けられてるであろう顔は、
私にとっては難儀な作業になることが多いです。
似せるのが難しい、とは言いません。
似顔絵描き始めた頃とかバイトで似顔絵してた頃と違い、
まず普通に似顔絵描くだけなら特に「描き易い顔」と「描き難い顔」はもはや無いためです。

まず、特徴の無い顔の人間はいないことです。
似顔絵を描かれるのに得な顔をしてる人と損な顔をしている人は居ますが。
しかし何を持って人は「描き易い顔」と断定しているかというと、
顔および顔内パーツ(または体型)の大小が極端か、
顔内パーツの配置が極端、
もしくは性質が顔の表情に絶えず現れている、または意図的に現している
ってところでしょう。
それは『似顔絵を描かれるのに得な顔』であって描き易い事とは別。
今福さんは得顔に入るタイプのお顔と言えるでしょう。
しかし「特徴あるから描き易いでしょ?」はお門違いです。

似顔絵を似せることが難しいわけではありません。
私にとって『似顔絵は面白くなければいけない』
これが絶対です。
そうでなければ似顔絵を描く意味が無いです。
似せることは当たり前として面白く描く=本人より絵の方が面白くなければいけない
このことが難儀なことはあります。
これが出来てないと絵が本人に負けることになり、
これもまた似顔絵として意味が無いといってもいいでしょう。
いわゆる「描きやすいでしょ?」な人はインパクトのある顔だったり体型だったり、
豊かな表情や醸し出す独特の雰囲気などを持つ人が多く、生半可な絵では本人の魅力が引き出せません。
その人がどれだけ面白い存在であっても絵の方が面白くなければならない。
ここが難儀なところです。
で、この絵はとゆーと、このドラマでの今福さんの名演に何とか負けずに済んだってところでしょうか。
危ないところでしたってカンジ。

この絵の眼目は「目」。正確にいうと目の小ささ。
目を見開いていてドラマ内のキャラの「はぁ?なんだー?」な、
恫喝のような驚いてるような表情を出すようにしているのだが、
目自体は相当小さくしたかったので、瞳の位置がわずかでもずれると効果がないため
らくがきとはいえ慎重に線を引いた覚えがある。
ほとんど写実で特筆すべきパーツの記号化は無いが、
今福さんの演じたキャラがかなり立っていて、劇中の1シーンの表情を
そのまま表したく思い敢えてそうしました。



プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
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2019年06月07日

2019/5/30-6/6らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵
直近約一週間にアップしたらくがき似顔絵の中で1枚を取り上げて解説します。

アップした日付・映画やドラマのタイトル・劇中に出ていた人物(=私が描いた人物)の名前
・劇中役名(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略。)

5/30『三池監獄凶悪犯』平沢彰(銀行辰)
5/31『ヒズ・ガール・フライデー』ビリー・ギルバート(ベティボーン)
6/1『悪名無敵』大杉育美(お君)
6/2『関東無宿』山口吉弘(本ちゃん)
6/3『忍びの者 霧隠才蔵』磯村みどり(茜)
6/4『海へ~See you~』大橋五郎(吉井竜)
6/5『魚河岸の女石松』二階堂有希子(石川陽子)
6/6『晴小袖』鳳八千代(おのぶ)

の中での今週の一枚
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小沢茂弘監督『三池監獄凶悪犯』で銀行辰役の
平沢彰さんの絵を取り上げて解説します。
平沢彰って誰だよ!?ですね。


この絵が似ているかは、平沢彰さんをググっても良い画像が
ヒットしないと思うので映画を観て判断してもらうしかないのですが、
まぁ見る人も少ないでしょう。あんまオススメもしないです。
(小沢監督ファンですけど、今作はヒット作を狙いすぎたが故のイタさが
悲しかったので。)まあ似ているとゆー前提で話を進めます。

この平沢さんの絵の眼目は「余白」ですね。
この人は、顔の面積に比して顔内のパーツが中央に集まっているタイプの
お顔の人です。更に正確に言うと、
パーツが集まっていると言うより顔の面積が広いがためにそう感じる
タイプではなく
顔の面積はさほどでも無いがパーツが中央に集まっている
タイプ。
よって顔をデカく描くとゆーよりパーツを中央に寄せる描き方にしてある。
顔の大小。これは描く身体の大きさ及び肩の描き始め箇所でそう調整したつもり。
そんなデカ顔には見て感じないはず。

平沢さんの顔は、パーツの近さの中でも目と目の間が特にそう『見えます』が、
実際測ったりしてないし、他者との比較をしてもそう何センチも近いわけでも無い。
あくまで『そう見える』=『感じ』たことであって
似顔絵は実際見えているものを描くのではなく感じたことを描く
ものですから、ここをどう描くかってこと。
実際はそれほど接近していない目を感じたように描く=目と目を極端に近く描く
ことになるのですが、それは似顔絵上の誇張な描き方。
まぁそれでもいいんですが、私のこの絵はそうはしていない、と言うか狙いが違う。
目と目や他のパーツも中央に近いってことはそれ以外の顔の面積が広い=顔の余白が大きいってこと。
余白、つまり空間を活かす省略を強調した描き方をしてある。
第三者がパッと見て「真ん中に集まってる顔してんなー」ではなく
「のっぺらぼうの真ん中になんか顔が描いてある」的な印象を持ってもらえれば成功ですね。

絵の構図は、顔内パーツ配置が重要なので真正面に描く一択のみ。
表情は、映画上の役=凶悪囚人が自己紹介の口上中、から取った。
あと記号化については、吊り上がった薄い眉を横に一本化に描き、
眉間のシワと鼻筋も同化させて一本化した縦線と縦横クロスさせて、
眉+眉間+鼻筋の3箇所を二本の線ですっきりとさせつつ
あくまで似せるための線の選択になっていることが良いところではないでしょうか。




プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
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2019年05月29日

2019/5/22-29らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵解説。
最近はなるべく似顔絵の描き方などについても書くようにしてます。

映画タイトルは『 』内。続いて演じた人名。( )内が役名。
*後は似顔絵の解説。たまに映画の感想も。
(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略)


5/22『多羅尾伴内 十三の魔王』竹脇昌作(アナウンサー)
*似顔絵描くのにメガネに拘る人がいます。形とか色とか。
芸人さんとかそのメガネをかけてることがウリであるとか、
明らかに個性的すぎるメガネをかけてるとか、はたまたモデルから
メガネをしっかり描いてくれと指定がされない限り、
大体でいいです。かけてるのが分かってればいい程度にしておいたほうが。
つーかテキトーな方がいいのです。
映画:今シリーズ初(?)カラー作品なのだが、まさかの弊害。
カラーになったことで妙に現実感が出てしまい、
嘘で構成されてるこの世界が急にバカバカしく感じられてしまった。
なんてこった。


5/24『海から来た流れ者』筑波久子(ルミ)
*筑波さんってこんな顔だっけ?な疑問がちらついてしまっていて
セクシー肉体派娘時代と随分違う顔に見えてしまったのだが、
この映画製作年代からすると、そんなに老けてるはずもないのだが??
さりとて見た映画からの情報を重視せざるを得ないのであるわけだし。
と、誰にとってもどうでもいいマイルールもあって、
結局絵は「太ったアバズレ」なだけのものになりました。
映画:世に名高い「小林旭の渡り鳥シリーズ」
と、全く同じ原作・主人公キャラクター・出演者・製作年代・製作配給会社
で作られた「小林旭の流れ者シリーズ」その第1作目。
現代では絶対こんな滅茶苦茶な映画製作不可能です。素晴らしいです。


5/25『海を渡る波止場の風』山内明(塚越)
*失礼ですが、山内さんを知らなかったら
これぞ正に「どこぞのおっさん」を描いただけのものとなっております。
強烈な印象化が(少なくともすぐに閃いたり)出来ない顔の人も
勿論居ます。無理に誇張したりすると類似度が下がるので、
そのままで描いちゃうしかない人、こういう人も(先日どこかで書きましたが)
損顔と言えます。
映画:旭の流れ者シリーズ2作目。前作では良い意味での「日活活劇の馬鹿さ」が
弱く物足りなかった山崎監督演出。今作では改善されて馬鹿になっててよかったです。


5/26『南海の狼火』堀恭子(田代千津)
*これもまた堀さんて女優を知らないと「すげー顔したおばさん」
なだけの絵としか思えない。まぁ知ってたら尚更酷い顔に描いてるのが如実なんですが。
しかしなんだか絵(線)が固いのは描いた私もこの方を知らないからですね。
『描き手がどれだけ対象を解っているのか』は重要なことです。
映画:流れ者シリーズ第3作。山崎監督も日活イズムが染み付いてきたのか
「撮りながらストーリー考えてんのか?」な、行き当たりばったり感まで会得。


5/27『多羅尾伴内 七つの顔の男だぜ』堀雄二(福村警部補)
*眼。黒目を描かずに白目だけにする描き方は、漫画でワルモノキャラに
使われたりしますが、似顔絵では相当に被描者=対象人物のことを
理解していて且つ人物キャラ設定が決定済みでないと手を出してはいけない描き方。
またそれによる効果は、決定済みのキャラ設定が描き手以外の人たちとも
共有できていないと効果がない。
うかとやるもんじゃないですよ、ってこと。
映画:片岡千恵蔵の多羅尾伴内シリーズの一本。チエゾーお気に入り小沢茂弘が
監督してる。まだ当時若い小沢演出がラスバトに特にパワフルでマンネリシリーズに
新味を与えてます。


5/28『居酒屋兆治』佐野秀太郎(桐山少年)
*この人は役者ではないのでしょう。クソ真面目な高校球児役をやってる兄ちゃんにしか
見えなかった。よってまぁ糞真面目坊主頭高校生を描いたってだけの絵。
映画:東映任侠物以後の高倉健の出てる映画は、外国製作映画以外、ほぼ高倉健の一人舞台を
眺めるだけのアイドル映画と言って良いと思います。
よって高倉健に全く興味がない人が見てしまうと大変辛い時間になってしまうのでご注意を。


5/29『海賊八幡船』高桐真(陳赤竜)
*あんま強烈なメイクとかしてる役の人を似顔絵として描かない方が良いです。
現実の人物がそんなカッコしてるから面白いのであって、
それを漫画のように描いても現実に負けるから。それでも描くなら肖像画のように
リアルに真面目に描いた方がバカっぽさが出ます。
映画:時代劇ブーム後期にデビューし、その明るさとテンポの良い演出で時代劇に
新風を吹き込んだ沢島忠監督。予算もたっぷりの海洋ロマン時代劇大作である
今作は、その演出が空回り気味でちょっと悲しい。


今週の一枚
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2019年05月23日

2019/5/15-21らくがき似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵解説。
最近はなるべく似顔絵の描き方などについても書くようにしてます。

映画タイトルは『 』内。続いて演じた人名。( )内が役名。
*後は似顔絵の解説。たまに映画の感想も。
(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略)


5/15『昼下がりの情事 古都曼荼羅』青山美代子(ちさ子)
*前にも書きましたが歯の記号化について。開いた口の中に線を入れると歯に
見える。真ん中に縦に1本引く前歯が目立っている『歯』そのものを描いた
ことになり、2本線を入れると意地悪そうなどの『性格』を描く記号になり、
3本引くとみっちりした歯並びの記号となり、また『歯』そのものを
描くことになる。
映画:ロマンポルノは(確か)10分に1回エロ入れれば監督の好きなように
撮ってよいため若手監督が野心的作品を作っていて、なかなか
感心するものも少なくない。食わず嫌いなく観てみよう。


5/17『女囚701号さそり』横山リエ(片桐)
*目の隈(クマ)を描きたい場合、下瞼の真下に目の近くに沿って描く。
目と遠い距離で引くと眼窩の窪み線に見えるから。
また下瞼ラインとほぼ同じ長さで引く。
これが目頭から線を引き始めて目より短い線で引き終わると
加齢のシワに見えるから。
映画:単独としては初監督作品となる伊藤俊也の、低予算を逆手にとった
撮り方が奇跡的な効果を生んだ傑作。


5/18『ふたりの死刑囚』袴田秀子(本人)
*見た目は、本当に婆さん(を描いた絵)のらくがき。
似てなきゃ単なるラクガキですが似てれば似顔絵になる。
一枚絵としての完成度が高くても似てなきゃ似顔絵としては失格。
映画:名ドキュメンタリー連発の東海テレビ制作ドキュメンタリーを映画化したもの。
映画化って言ってもテレビのものをそのまま映画館で流しただけでしょうが。


5/19『惜春』石山律(彦太郎)
*全部のパーツを必死に描く必要はなく、逆に眼目の箇所以外は
力抜いて描いた方がメリハリが出るので良いでしょう。
一枚絵としての完成度を競っているわけでは無いので。
この石山さんの絵は
眉と目パーツが眼目で、配置と形およびドラマでの
キャラクター上の表情をこの二つに込めていて、
鼻は石山さんの鼻の形をそのまんま描いただけ、
口はドラマキャラの人となりを出す記号としてだけのもの
となっております。
ドラマ:今は絶滅した1時間枠の単発TVドラマ。今見てみると
1時間で収めなければならない工夫が実によくされてますね。
今作も正味46分を過不足なく使い切っている脚本が実に好感持てます。


5/21『暁のガンマン』マリオ・アドルフ(ハリー)
*「人の良さそうな大男で何か不満気な情けない顔」
な絵に見えます。まぁそう描いたから当たり前なんですが、
映画上のキャラは入っているわけ。ではそれでマリオさん本人に
似ているのかどうか、です。私は似ていると思いますので(とりあえず)
似ているとしましょう。よってこの絵は
似ていて更に表情が豊かな絵になっている、わけです。これで似顔絵として合格です。
なお、大きく感情を出している顔を描く時は、描く対象の人物を掴んでいないと
似せられないと思います。
映画:コメディマカロニウエスタンですが、あんま笑えなかった。


今週の一枚
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2019年05月16日

2019/5/8-14ラクガキ似顔絵解説

ぽりすけのらくがき似顔絵解説。
最近はなるべく似顔絵の描き方などについても書くようにしてます。

映画タイトルは『 』内。続いて演じた人名。( )内が役名。
*後は似顔絵の解説。たまに映画の感想も。
(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略)


5/8『悪太郎』小島和夫(小石)
*「似顔絵は誇張すること」とよく聞きますが、
『省略』することの意義を他の人から聞いたことないです。
まぁ私が情弱なための情報不足なだけでしょうが。
しかし省略はとても重要なことです。
描き込めば描き込むだけより似ていく、訳ではありません。
見て得た情報を全て描くと情報が散漫になります。
敢えて描かない方が情報が洗練されるのです。
五語-七語-五語だけで表現する俳句は、短い言葉だけで世界観が表わされています。
正確には「表わされているように感じる」です。
そう感じるのは人間に想像力あるからです。
敢えて描かない方が見る人間の想像力に訴えることができるからです。
映画:熱狂的なファンのいる鈴木清順監督作。しかし観ていて感心したのは
何気ない庭や室内セットの美術=木村威夫の仕事っぷり。


5/9『多羅尾伴内シリーズ 戦慄の七仮面』高原秀麿(手塚)
*稚拙な肖像画とも言えるような絵ではあるが、どことなく味が
ある絵とも言える。まず、表情が出ていること。そしてらくがきとは言え、
線が見られる位には引けているからでしょう。だったら毎回これくらいの
線を引けってところですが、やる気にムラがあるからねー。
映画:片岡千恵蔵多羅尾伴内シリーズの1本。チエゾーの名推理っぷりがすごすぎる
ってのもだが、出てくる脇役達の殆どが犯人(の一員)ってのも慣れると楽しい。


5/11『一万三千人の容疑者』田畑孝(高井刑事)
*この役をやった田畑さんを知らなければ、クールなデカ顔男の絵って
だけにしか見えませんが、知らなくとも何処と無く味のある絵に見える。
わざと左右非対称に描いたことによる効果ですね。勿論それを狙ったわけですが。
映画:吉展ちゃん事件が解決した翌年に制作された際物映画。
なんか冒頭にヒューマニズムな言い訳入れてますけど、最新のショッキング事件を
扱ったキワモノ。


5/12『女必殺拳』早川絵美(絵美)
*本当にラクガキ。デビューしたての全然洗練されてない新人女優の
ロクに映らぬ画像から絵を描くのがそんなに嫌だったのか?
顔全体記号化されてるし、マヌケさも伝わるのだが、一枚絵として
見られることを全く意識してない。ラクガキという名の下に手抜き全開です。
映画:その昔、世界でブームのカンフー映画。それに乗っかるだけの
実に見上げた志の低さで制作されて尚且つシリーズ化もされた志保美悦子主演
空手映画の第1作目。主演志穂美よりサニー千葉が目立ちたくてグイグイ出てきます。


5/14『女必殺拳 危機一発』琳大興(本位田蝶三郎)
*ヌンチャクを振り回してるだけの狂人キャラを、描いただけのイラスト。
しかしもう情報がそれだけしかなかったのでこれは仕方ない。
映画:上記女カンフー映画シリーズ第二弾。鈴木則文&掛札昌裕作の
実に安っぽさが堪らない前作ばりの脚本のテイストはそのままに、
監督山口和彦のカズヒコテイストが今作ではスパーク。


今週の一枚
小島和夫.jpeg


プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』
posted by にがおえやさん at 17:13| Comment(0) | らくがきにがおえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする