最近はなるべく似顔絵の描き方などについても書くようにしてます。
映画タイトルは『 』内。続いて演じた人名。( )内が役名。
*後は似顔絵の解説。たまに映画の感想も。
(俳優、役者、タレント、有名人、無名人など人名すべて敬称略)
12/22『東京流れ者』吉田毅(敬一)
*チンピラBや子分Aな端役ばかりの正真正銘脇役役者さん。
よって今回もロクに映らぬ人を描いたわけですが、そんなことより
何より全体の線の汚さ。絶対描き直すべきだった駄作。
絵の上手さとは線の綺麗さ
であるので、これは相当ド下手れ絵。
映画:鈴木清順監督やりたい放題。
12/23『日本暗黒史血の抗争』川辺健(磯村)
*これまた全く知らない知られてない脇役役者。映画も2本しか出てない。
役者なのか本当に?当然アップも一度もない苦しい台所事情っから描いた、
のを差っ引いてもこれまた酷い絵。輪郭線が左右で違ってる。
わざと非対称性を狙うことはあるが、これはただ単に曲がってるだけ。
描き直す気すら起きず。
映画:ヤクザ映画は任侠モンから実録モンにブームが移って
行ったのですが、その過渡期って感じな作品。
12/25『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』中島貞夫(中島貞夫)
*絵は完全な漫画(風)似顔絵。描く対象のキャラを「決めて」いるからこそ
描けるわけな手法。キャラを決めてしまうには、描く側=絵描きの
人を見る目も必要。人間相手の作業(いわんや仕事としているならば当然)ですから
紙に向かって描くというより人に向かって描く
イメージで。
映画:時代劇制作裏話映画。作中チラと映された大昔の映画「長恨」。
これが観たくなって仕方なくなるぞ。
12/26『極道の妻たち』鹿内孝(新海)
*強面の、どちらかと言えば損顔な、ちょっと二枚目おじさん。
先週もちょっと書きましたが、損顔は特にパーツの配置が肝。
配置をよく「考え」よう。慣れれば一瞬で出来るようになるスキル。
映画:言わずと知れた有名映画シリーズの初作。成功の秘訣は
しっかりした企画意図=プロデューサーの仕事だとヒシヒシ感じる。
12/27『エノケンのちゃっきり金太』二村定一(密偵)
*目。瞑ってる目が印象的であるならば、開けた目でなく瞑った目で描いていい。
なのだが、対人客商売似顔絵となるとなかなか度胸がいることではある。
私は客との会話などでイケるかどうか判断してます。
下書きしてる人は下書き見せりゃいいんでしょうけど、私はしてませんし。
直接客にお伺いするってのも何か不粋な気がして。
映画:大昔の喜劇映画、ってことで小さなお話しだろうなと
思っていたら、幕末動乱期が舞台で江戸の町が戦闘に巻き込まれ、と
実にスペクタクルで驚く。フィルムが完全に現存してないのが惜しい。
12/28『眠狂四郎卍斬り』水上保廣(竜馬)
*全く知らない一瞬だけアップのゴツゴツ骨格顔の脇役兄ちゃん。
言うべきこともなく、描いた記憶すらない。ちょっとググってみたが
年取ったお顔しかほとんどヒットせず。
またその加齢した顔の方が味が出てます。そちらで描きたかった。
映画:大映制作眠狂四郎と言えば市川雷蔵なのですが、
今作の狂四郎は東映レンタル移籍の松方弘樹。ツタヤで借りる時は気をつけましょう。
12/29『昭和おんな博徒』松平純子(絹枝)
*「薄いエロ顔女」と言った風貌ですが、映画の役は
清楚で薄幸な人妻。顔と全くキャスティング合ってません。
描く身としてはプロデューサーに文句つけたいところです。
仕方なく役上のキャラで描いたせいか線が全くノってません。
引いた線のインクで一部絵が汚れましたが、まあ描き直しもしません。
他の役やってる時のもんでもっかい描きたいです。
映画:女博徒と言えば藤純子か江波杏子。でも個人的に
エバさんだとちょっとたくましすぎるのよね。太い首とか。
12/30『狂走セックス族』白井孝夫(淳哉)
*「ややブサ兄ちゃん」ググリましたらデビュー間もなくしての
大役のよう。道理で主演とは思えぬ華の無さ。眼目はその華の無さ。
もう顔面パーツからの情報でないところを描こうとしているわけ。
華の無さってなんだよ、って言われそうですが。
この方も加齢して風貌が変わってます。年取った方が全然かっこいいです。
役者として洗練されたようで良かったね、と思っちゃいます。
映画:タイトルはいかにも東映ゲスエロものですが、
内容は青春青臭さ映画。エロ目当てでがっかりしないように。
今週の一枚。

プロ似顔絵師ポリスケの『にがおえやさん』